グルテンフリーダイエットって最近よく聞くのではないでしょうか.
プロテニス選手ジョコビッチが「ジョコビッチの生まれ変わる食事」という本を出版したことで一大ブームとなりました.
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グルテンフリーとは
グルテンフリーとはその名の通りグルテンを食べないという食事です.
グルテンというのは小麦に含まれるタンパク質のことで,これが体に悪さをすると言われています.
そこでこのグルテン,つまり小麦の含まれている食べ物を排除することで健康になるよということでグルテンフリーが推奨されています.
しかし,このグルテンフリーという食事法はセリアック病という小麦が合わない難病の方のためのメソッドなのです.
またジョコビッチはセリアック病ではないですが小麦アレルギーを持っています.
そんな中一般の人もグルテンフリーをした方がいいよというように言われはじめているのですが,そもそも健康な人にグルテンフリーは効果があるのでしょうか.
健康な人でもグルテンフリーは良いのか
結論から言いますと,どちらとも言えないというのが現状です.
グルテンに関する論文は様々で,特定のアレルギーでなければとっても問題ない(Zanini et al. 2015 )という論文もあれば,普通の人でもグルテンは良くない(Ruuskanen et al.2011)という論文もあります.
つまり,最近流行の「グルテンフリーで健康に!」というような本は信憑性はないし,一概にグルテンフリーは効果なし!とも言い切れないということ.
言われてみれば,たしかにグルテンフリーで体の調子がよくなったという人もいますが,その一方アメリカやヨーロッパの人でほとんど毎日パンを食べていても健康に暮らしている人もいます.
まあつまり,やってみて自分が良くなったと思ったらいいのではないかという結論に至ります.
自分がよくなったからって他の人にも効果的ということではないのでご注意を.
グルテンフリーで体調が良くなった人に考えられる別の可能性
そんなグルテンフリーなんてよくわからんって言っているぼくですが,ぼくはほとんどグルテンフリーな生活をしております.
だけど,ぼくの場合は結果的にグルテンフリーになっているというのが正しいかもしれません.
過敏性腸症候群や炎症性腸疾患を持っている方はFODMAP食が体にあっていないのではないかと言われています.
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そのような過敏性腸症候群の方は低FODMAP食をしてみたら体調がよくなると言われているのですが,この低FODMAP食で小麦はNG食材なのです.
過敏性腸症候群の方は小麦に含まれるフルクタンという食物繊維を消化できずにお腹にガスがたまったり下痢をしてしまいます.
つまり,グルテン自体は体にあまり影響はないがフルクタンが合わないため小麦を抜いたら結果的に体調が良くなったということが起きるわけです.
ライザップでお腹の調子が良くなる?
これに関連した話で,ライザップに通ったらお腹の調子がよくなったという話があります.
みなさんご存知ライザップですが,厳しいトレーニングと食事制限が有名ですよね.
このライザップでは糖質制限を行うらしいのですが,ここに肝があります.
糖質制限をしたら何を食べなくなるでしょうか.
考えられるのは,白米,パン類,パスタ,その他粉物ではないでしょうか.
お気づきでしょうか?”
そう.白米以外はほとんどが小麦の含まれる食品なのです.
過敏性腸症候群の方がライザップに行ったらお腹の調子がうっかり良くなったというのはおもしろい話ですね.
健康な人でもグルテンフリーダイエットの効果がないわけではない
ここまで過敏性腸症候群の方にはグルテンフリーダイエットの効果があるという話をしてきました.
しかし,健康な人にはどんな効果があるのでしょうか.
グルテンフリーダイエットの減量効果
まず多くの人が気になる減量効果ですが,これについてはほとんど効果がないのではないかと言われています.
ダイエットしようと思ってグルテンフリーをしようと思っている方には残念な結果です.
また,スーパーでよく売られているグルテンフリー食品には飽和脂肪が多いことから注意が必要とのこと.
ただ個人的にはグルテンフリーをしたら痩せる人もいるのではないかと思っています.
なぜかというと,グルテンフリーを行えば自然と菓子パンやピザ,ラーメンのような高脂質でカロリーの高いものを食べなくなるからです.
グルテンのそれ自体が悪いことをしていないとしても結果的にダイエットに繋がりそう.
パンを食べるよりは米を食べたほうが痩せますし.
健康な人でもグルテンフリーダイエットをした方がいいかも
とりあえずグルテンフリーダイエットに減量効果はないという結果になりましたが,グルテンアレルギーではない人でもグルテンが体に悪影響を与えている研究はあります.(Doherty et al. 1981) (Biesiekierski et al. 2011)
アレルギーではない人がパンを食べると,グルテンが腸にダメージを与え腹痛,膨満感,下痢,疲労などの症状が出てしまう人がいるとのこと.
また,グルテンを摂りすぎるとうつ病になりやすいという研究もあり,グルテンがメンタルに悪影響を及ぼす可能性もあります.
まとめ
グルテンフリーについてまとめますと
・過敏性腸症候群の方はグルテンを避けましょう.
・グルテンアレルギーでない方には減量効果はなし.
・グルテンアレルギーでなくても少なからずグルテンの悪影響はあるかも.
という感じです.
とりあえず気になる人はグルテンフリーをしてもいいのではないでしょうか.
まあそこまで神経質にならずに量を減らすくらいの意識でいいかも.
まだよくわかっていないグルテンの影響.
今後の研究に期待です.